第72回 中小企業のオンラインマーケティング モバイルマーケティング戦略の立て方5-5(最終) CLV:顧客生涯価値に留意する

台風が東海、関東甲信越地方上陸とのこと。大規模災害にならないことを願いたいです。
さて、2018年で一旦シリーズ終了しましたが、phpヴァージョンアップに伴い、暫く中断しておりました。
多少のリライティングを含めてエントリーです。
久しぶりとなりましたが、今回はモバイルマーケティング戦略の立て方シリーズの締めくくりの最終回となります。

第72回
中小企業のオンラインマーケティング
モバイルマーケティング戦略の立て方5-5(最終)
CLV:顧客生涯価値にフォーカスする

 
まず、統計によるとappsダウンロードユーザーの内80%は3ヶ月以内に利用しなくなってしまうとのシビアなデータがあります。
利用者数が多いほどこの統計値に近くなり、提供側からしたら皮肉な状況です。
だ、悲観してばかりいても仕方ありません、CLV/顧客生涯価値を指標に設定することでこの流れを変えることができるのです。
ご存知のとおりCLVでは、ほんの1回のトランザクションだけでなく、時系列でみてユーザーがビジネスにもたらす価値を測定します。
このCLVを高めることにフォーカスすることが、販促アプリにとって大切なポイントです。
なぜなら、関心のある顧客をさらに引き付け、継続的な関与を促す確実な方法だからです。
US調査におけるビジネストレンドでは、マーケティングの効果を測定するためにCLVを指標に登用し、昨年の業績を10%以上向上させたマーケティング担当は、それを行ってこなかった担当に対して1.5倍増となってきています。*1
これをみるとCLVを重視しない訳には行かないですね。
 

CLVを優先指標にするということ

ここで世界的ホテルチェーンのヒルトンの事例を元に、みてみます。
まず、CLVを優先させるためには、文字通りに顧客をすべての中心に置く必要があります。
店舗、デジタル、モバイルなどで部署間の営業目標障壁をなくすことで、必ずしも成長に繋がっていない個別の指標(エンゲージメントやクリックなど)ではなく、明確なビジネス目標に集中することができます。

HiltonHonors

これまでのHiltonホテルチェーンは、旅の面倒な手続きを排除して、優れた顧客体験を提供しようとしてきました。
しかし現実では、ブランドマーケティング、デジタルマーケティング、eコマース、販促チームは個々で部署利益追求しており、必ずしも良い顧客体験を提供していたわけではありませんでした。
ここで、ホテルは各部門が合併し、顧客にとってより良い経験を生み出すという1つの目標を置いて、部門間をまたぐチームを作りへと進化したのです。
ヒルトンマーケティングでは、Hilton Honorsアプリを開発し、appメンバーがホテル・ルームを選択した後、現地チェックイン手続きを飛び越し、アプリを使用して直接予約した部屋のドアを開くことができるよう、大幅な改善を施したのです。これは面倒くさささもなくプライバシーも尊重されてVIPのような気分にもなれて大変うれしいサービスですね。
結果として顧客メンバーにとって、とてもストレスフリーとなり、マーケティングチームの狙いは的中したようです。
そのアプリはなんと90%台もの保持率を持っているとのことです!(驚)
セキュリティ等のリスクはあるかもしれませんが、実現しているところが何ともダイナミックです。
この事例のように顧客中心へとビジネス目線を転換することは、アプリのみのビジネスにとっても不可欠です。
中小企業の戦略として見習いたいフォーカスポイントは、すべての部署目標をCLVなどのビジネス成果に合わせ、機能別の共同作業やデータ共有を進めることで、全タッチポイントにおいて顧客の全体像を把握し、長期的なブランド成長を促進することができるという点につきます

CLVと重要顧客

次のステップでは顧客重視の対応ができた後、どの顧客が重要であるかも見据えて生きたいですね。
また、顧客が関係性を持った間でどれだけの収益をもたらし、かつその関係を維持する費用はどれだけなのかも、当然把握しなくてはなりませんね。
ここで金融サービス業界でどのようになってるかを見てみましょう。Bainの2016年調査によると 、顧客が銀行に電話をかけたり訪問したりするたびに、その費用は4ドルかかるそうです。
しかし、その取引がアプリ経由で済むのなら、ほんの10セントしかかからないとのことです。その費用差は愕然です。
さまざまな顧客分類上でCLVを評価する際には、各グループがアプリを使って対面/接触した回数と、ブランド成長にどれくらいの費用がかかるかを考慮することができます。
また、マルチチャネルビジネスでは、全チャンネルのユーザーのCLVを見る必要があります。
小売の場合で、顧客は定期的にアプリをチェックしてからリアルショップで購入するという良くあるパターン。
この場合、アプリ内の行動履歴確認だけでは、実際はリアルチャネル収益として計上されアトリビュートしているのにも拘らず、誤って価値の低いユーザーとして分類される可能性があるのです。
この様なことから全チャネルでのCLVの確認はギャップを埋めるのに役立ち、すべての相互作用の中で最も収益をもたらす重要顧客をより正確に把握することができるのです。
このように、中小企業のブランド成長を目指して、顧客維持における収益と費用の把握から始め、さらには重要顧客の分類までやろうと思えばできることですよね。
大切なのは、気づきとまずは最初の一歩からなんですよね。
今回で、中小企業のモバイルマーケティング戦略の立て方シリーズは終了します。
また、次回シリーズは目下模索中につき、お付き合いください。それではまたお会いしましょう!
 


参考:Google LLC. The consumer behaviors shaping the next generation of mobile experiences
引用:*1 Bain Marketing Survey 2016 (n=487, Leaders n=114).

第71回中小企業のオンラインマーケティング モバイルマーケティング戦略の立て方4/5 CJ:カスタマージャーニーを刷新してみる必要性とは?

みなさん、こんにちは中曽根です。
暑中見舞い申し上げます。
台風接近で東京は猛暑から一変、涼しい日和となってます。皆様いかがお過ごしですか?
さて、モバイルマーケティング戦略の立て方のシリーズ4回目となります。少し長目になります。
今回はみなさんも大好きな食べ物で、よくご存知のあの老舗企業の事例を基に、”エントリーをお届け”(笑)しますね。
 

第71回
モバイルマーケティング戦略の立て方4/5
CJ:カスタマージャーニーを刷新してみる必要性とは?

 
その会社とは、Domino’s (ドミノピザ)です。

biz.dominos.com

言わずと知れた老舗宅配ピザチェーンで、60カ国で1万店以上を展開する超!!ワールドワイドな企業です。
何だ大企業の話ではないか!と敬遠されそうですが、それでも中小企業にとっては、モバイルマーケティングに大いに参考になる戦略が含まれているので、ここに紹介します。
 
57年前の創業間もない時代では、宅配はもちろんやっていなくピザレストランとして営業してました、当時、地元の常連客が”いつもの”っと注文すれば、さっと注文が通るという、とてもシンプルなオーダー方法でした。
ユーザー個々と店舗において、ニーズの把握と対処法がしっかりと成立していた、と言える状況ですね。
現在のbiz.dominos.comにおいても、その当時のような顧客との”阿吽の呼吸”でオーダー・CX/カスタマーエクスペリエンスを再現する方法を、過去5年のかなりの歳月を費やして世界規模で技術的に模索してきたようです。
ここ近年の技術進歩によって、誰もがスマートフォン等モバイル機器でトランザクション:ネットオーダーできる時代になりまた、ユーザーのショップ・企業サイドへ期待する内容も様変わりしてきたのです。
それに伴って、ユーザーは欲している物をショップ側が察知して、即座にユーザーに提供されることを望むまでになってきました。
企業にとって、こうした課題に取り組むことは、事業の運営方法を再考しなくてはならなく、大変なことでした。このように積極的に事業運営を見直す姿勢を崩さなかったDomino’sならではのことで、ここで3つの教訓を得たのです。
 

1:オーダー・フォームの改善からはじまる
ユーザー対策と企業価値の再浸透

5年前までのDomino’s.comでは、サイトランディング後からオーダー完了までに25以上のステップを要していました。これによりユーザーにストレスを与え、多くの顧客離れを招いてました。
そこで彼らは、CX中でのストレスフリーの必要性をようやく認識し、今までユーザーに入力させていた多くの部分(プロフィール情報など)を自動入力させ、その結果オーダー完了まで5ステップまで軽減させました。
これによって、CVR:コンバージョン率が上昇したのです。
また、今日では全オーダー中のオンライン比率は60%を超え、その内の約半数はモバイル経由となってます。
その様な環境下において、彼らはさらにユーザーストレスを低減させるための努力をし、最終的には”ゼロクリック・オーダー”を含む、モバイル・カスタマージャーニーを提供する方法を開発しました。
これは、顧客毎のオーダーDB:データベースと連携したapp:アプリで、顧客がアプリを開けば直近を含む最近のオーダー内容を呼び出し、誤ってクリックした場合の対応にも備えて、10秒後には自動的にオーダーできるというロジックで組み上げられてます。
(未体験ですが、ストップウオッチが出現して10秒のカウントダウン後に自動オーダーになるようです。)
まさに”ゼロクリック”=”ストレスフリー”の実現ですね。

DOMINO’S ZERO CLICK ORDERING

この様な企業努力は、Domino’sブランドを多くのユーザーに価値あるものとして認識を改めさせ、さらに重要なのはロイヤル・ユーザーのような≒常連客のニーズに即座に応えられる状況にした点があげられますね。
 

2:構築~テスト~学習の繰り返し

マーケティング担当者にとって、ゼロから究極のCXを構築を提案しなさいと命令されたら、震えあがるほどの恐怖を感じますよね(笑)。究極のCXなんて多大な時間と努力、予算が必要ですから。
Domino’sがこの課題にどのように臨んだかとというと、
まずは、この改革に大きなプロジェクトは必要ないと判断したこと。小さな試験的な課題を抽出して、それを実行~検証して、そこから”より優れた顧客体験を構築する方法を得ていくことを少しずつ繰り返す”。
同社は、社を上げるような1つのビッグプロジェクトを実行するよりも、2年間で50の小さな革新をとげるオペレーションを選択するそうです。
創業57年の老舗ピザ会社が旧習を改め、「テスト~学習」のオペーレーションへ移行するのは容易ではなかったようですが、現在では実験を反復するのがオペレーション・スタンダードへと成長したとのことです。
これは、正に中小企業でも取り入れたい企業姿勢ですね。
反復サイクルによる小さな技術革新に取り組むことによって、新しい技術が出てきた際に迅速に対応することができるのです。
webサイトのオーダーシステムやプロフィール入力の改善によって、同社のモバイル事業をどうす進めるべきかが明白になったのです。反復のプロセスによって、ゼロクリック・オーダー・アプリケーションを含む同社の数ある新しいオーダー・プラットフォームを生み出したのです。

3:共有目標を達成することの意義

現在は、オンオフライン含め、ユーザーがいつ・何処にいるかに関わらず、全チャネルに対応が迫られます。
これはITからコールセンター、ショールーム、営業、小売などあらゆるコンタクト・レベルにおいて、CXはシームレスな一貫性があることを確認し続ける必要があります。
要するに、全ての部署において顧客体験から如何にストレスを無くすかという、共通の目標に向けての努力を常に確認する必要があるということです。
旧習の部署利益を追求する”縦割り意識”を取り除き、オンライン、オフライン、研究、ITなど全ての部署が緻密に連携して部署間チームとして確立することのようです。
まさにここが中小企業こそが取り組むべきスキームであります。
トップから、マーケティング、研究、製造までがみな密接に協力し、目標の達成・未達成を含め共有化を図ります。この様な企業文化の構築には時間がかかりますが、考え方の変化や、業務に創造性を加味することに実を結するのです。
以前のDomino’sのオーダー方法はショップに電話するか来店するかの2つでしたが、創業時に比べて現在は15のオーダー方法があるようです!!
現在では、ソーシャルメディア経由でtwitterでのtweet注文や、ソーシャルメディア上のピザの絵文字をGoogle ホーム(Google 社製スマートスピーカー)、Amazon Echo (Amazon社製SSP)の音声認識コマンドへと送信すると、個々のCXをパーソナライズして、最適な方法でオーダーすることが可能だそうです(驚)!!
彼らが取り組んでいる大きな課題は、全ての中小企業でも形は変われど取り組むべきです。
オン・オフラインでシームレスなCXをユーザーが奮って使いたがる新技術で登用するべきであって、単純にディープラーニングの音声認識や、AIなどの技術にばかり偏重したアプローチでは、顧客ニーズを必要以上に煽ることになって現実的に無理が発生することになりかねます。
 
中小企業で実践したいモバイルマーケティングにおいても、答えはシンプルです。
 
ユーザーが選択したプラットフォームにおいて、シームレスで一貫性のあるCX:顧客体験を提供する顧客中心のアプローチがいつも基本に戻るという点でとても大切なんですね。
今回も長い駄文にお付き合いいただきありがとうございました。
 
次回予告:
第72回
中小企業のオンラインマーケティング
モバイルマーケティング戦略の立て方5-5(最終)
CLV:顧客生涯価値に留意する
 
次回をお楽しみに。


参考:Google LLC. The consumer behaviors shaping the next generation of mobile experiences

第70回中小企業のオンラインマーケティング モバイルマーケティング戦略の立て方3/5 顧客体験の全過程でブランドを浸透させる(その3手法とは)

こんにちは、中曽根です。
梅雨時の蒸し暑い気候となりましたね、いかがお過ごしですか?渋谷の方々はFIFA WC初戦勝利で沸いてるようです(笑)
 
それでは今回のテーマ:
第70回
モバイルマーケティング戦略の立て方3/5
顧客体験の全過程でブランドを浸透させる(その3手法とは)
さて、モバイルマーケティング戦略の立て方として、第3回目となる今回は
上記の通りで、もう少し分かり易くいい換えると、”一旦サイトやアプリに接触してもらったユーザーに対して、途中で嫌われないようにしましょう!”、
もっと言えば、
”一旦自社ブランド(主にB2Cで)・ジャーニーに船出してもらったら、気持ちよく次回も乗船してもらって、周囲にも拡散してもらいましょうね。”ということ。
 
ここで、Google社の近年の調査からこれを読みますと、モバイルにおいては顧客のニーズを満たすためのスピードと、それらを如何に簡単に導けるか、という2点が非常に大切であると分かります。
 
ただ、一般的にスタンダードと言われている中庸を得たCX(顧客体験)では逆にユーザーに受け入れられなくなる場合があるのです。
 
これまで以上に、ユーザーのモバイル利用依存は高まってきています。実際にユーザーとブランドとの接触量は、オフラインのテレビや実店舗などと比較して2倍以上となってきてます*1。
 
ということは、モバイルでの接触タイミング/モーメントはとても重要だと分かります。
消費者がブランドで気分良く体験できれば、次回以降はさらにそれ以上の接遇期待度が上がってきます。つぎにそれが体験できなければそのブランドへ深刻な影響が出る可能性があるとのことです。
次に、ブランド体験が如何にブランドが顧客との間に培ってきた信用・信頼という資産の構築に失敗してしまうかを調査データから見てみます。
 
スピーディ:ユーザーニーズへの対応の遅さは致命的
モバイルでイラっとした遅さを体験してしまうと、リピート購入者は60%減ってしまうという現実です。※2
その理由のトップはサイトの遅さです。ページ読み込み速度が3秒以上になってしまうとモバイルサイト訪問者の内53%は途中離脱してしまいます。※3
モバイルサイトやアプリが迅速に表示されることはまず基本と捉える必要がありますね。
 
親切:簡単なナビゲーションとサイト検索によって、ユーザーが探しているものをフィルタリングでき、時間を節約できるのです。
モバイル体験において最も大きな課題の1つと言えるのが、”探したい情報が簡単に見つからない”ということです。
例えばショッピングにおいては、決済時には事前入力されたユーザー情報を呼び出したりたり、カートツールなどで前回の決済情報をオートロードするなどして、最後の一押しの障害を取り除けます。
ジャーニー中では事前調査はつきもので、必ずしもCV/購入にいたるとは限りません。ですから、カートへの保存機能を付けたり、PC、タブレットなどのマルチデバイスで気の向いたときにジャーニーの再開ができるような機能を実装する必要があるのです。
関連性:スムーズなジャーニーを提供することが自社の見返りに!
調査対象のスマホユーザーで、モバイル体験が有益で関心あることに到達できたとする10人中9人が、再度同じブランドから購入するだろうと言ってます。※4
ここで有益としているのは、ユーザーへの親切な案内です。例えば探している商品は在庫しているのか?、またオンラインで在庫していなければどこ(どの店舗など)に行けば事足りるのかなどの案内が充実していることです。
有益と評価されたブランドは、そうでないブランドと比較して再購入や周囲へ推奨する可能性が1.5倍高いとされてます!!※5
中小企業だったら、これを活かさない手はありませんね。
ブランドは、顧客のニーズを予測し、現時点で有用な製品やソリューションを提供しなければなりません。中小企業でも十分実践できる1つの手法として、自社ブランドに関してユーザーの検索内容を把握し、顧客の検索意図を汲み取るのです。
例えば「安価なスニーカー」と探しているなら、ジャーニー中で比較的早期にコンバージョンし易いのでそのようなランディングページを設定する。「高品質なジョギング用品」を探しているのなら、ジャーニー中の比較検討段階であるので、自社のラインナップや世界観などを提示する。
あるいは、「近所のスニーカーショップ」を探しているなら、オンライン購入フローからは反れているので、オフラインでの購入へと橋渡しするページを設定するなどです。
このようにユーザーのモバイル体験において、自身のニーズに関連性をもたらすことが大切です。中小企業のモバイル戦略では、ユーザーの検索状況を把握することをまず第一歩として、そこから個々のニーズに合わせてユーザーの関心を高めていくことへとジャーニーを繋げていきたいものです。
 
モバイル体験中は無関心・邪魔はアウト!!
ユーザーはコンテンツを自身の思うとおりに操りたいものですよね。
サイトで何らかの検索やブラウジングの足跡を残したならば、それに沿ってユーザーの関心ごとを理解してもらいたいもの。
それに無関心であったりするのはアウトであり、さらにはいきなりフローティング広告・全画面広告などを強制的にロードして、ユーザー意思に背くような装備を持ってしまうと、多くのユーザーがブランド認知する前に離れてしまいます。
モバイル体験中にこのような中断に遭遇すると、46%のユーザーはそのブランドから再び購入することはないようです。*6 広告の選択も大切です。
 
上記の通り、モバイル体験での「対応の早さ」、「親切であること」、「関連情報の提示」この3つを中小企業のモバイル戦略では基本にすえたいものですね。
 
今回も駄文にお付き合いいただきありがとうございました。
次回テーマ:
第71回
モバイルマーケティング戦略の立て方4/5
CJ:カスタマージャーニーを刷新してみる必要性とは?
 
 


参考:Google LLC. The consumer behaviors shaping the next generation of mobile experiences 
引用※1.2.4.5.6 Google/Purchased, U.S., “How Brand Experiences Inspire Consumer Action,” n=2,010 U.S. smartphone owners 18+, brand experiences=17,726, April 2017.
※3 Google Data, Global, n=3,700 aggregated, anonymized Google Analytics data from a sample of mWeb sites opted into sharing benchmark data, Mar. 2016.
 

第69回:中小企業のオンラインマーケティング モバイルマーケティング戦略の立て方2/5技術優先なかれ、ユーザー第一たれ

こんにちは、中曽根です。
新緑の眩しい季節になりました。
さて、前回よりモバイルマーケティング戦略の立て方と題して、新シリーズになりました。今回から4回に渡り、具体的な戦略の中身を考えて生きたいと思います。

第69回
モバイルマーケティング戦略の立て方2/5
方法1:技術(ツール)第一なかれ、ユーザー(ニーズ)第一たれ

 
カスタマー・エクスペリエンス/CX、ユーザー・エクスペリエンス/UXが昨今至る所で取り上げられてます。オンラインマーケティングでは各々同じように扱われているかと思います。
 
UXといえば、ドナルド・A・ノーマン『誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論』が原論として久しい。元々はハンディキャッパーの方々などのための分かり易く操作しやすいデザイン工学でありました。
 
使う人=ユーザーがどのように工業デザイン製品を扱うのか?という考え方は、そこからユニバーサル・デザインなどでPCのOSでも取り入れられ始めましたね。
 
意訳すると”人中心であり、人に優しい使い易いデザイン工学”として携帯~スマホなどのテクノロジーと供に、徐々に進化してきたと理解してます。
 
これを企業の視点から顧客を見据えたのが、カスタマー・エクスペリエンス/CXですね。
自社製品やツール・サービスを「購入」して、「利用」し、「評価」、「これらの体験共有」し、「再度購入」してもらえるようになるのが、企業にとって理想の顧客体験価値/VOCXであります。

“Circuit of user experience” Designed by Freepik

 
また、Webサイトはオンラインであるがゆえに、顧客体験の一部を担っているに過ぎません。ですから、顧客・ユーザーをオンラインとリアル/オフライン全体においてシームレスに繋ぐために顧客体験を最適化する必要があります。
 
企業は豊かで新しいユーザー経験をデザインして、その結果を次の段階へと活かさなくてはなりません。特に、新しい技術をいつ、どのように実装し運用していくかはチャレンジングですね。
 
本ブログでは、エンタープライズのみならず、中小企業でも実践可能なオンラインマーケティングを追求しています。このことはCXでも十分に実践可能と考えてます。
 
これを具体的に一案を上げると、新しいツール/テクノロジーを闇雲に漁り、選択して導入することに躍起になる前に、自身が一消費者の立場になり、そこで望ましい体験とはどんなものなのかをユーザーの目線に合わせて探り、それを前提にWebサイトを構築し地道に運用~適化していくことで、それなりのレベルで顧客体験を成立させることは可能ではないでしょうか?
 
また、以下の3点がより良い顧客体験価値を創造するポイントになります。
 
1.ジャーニー中(購買行動途中)にユーザーが離脱しないようにすること。
これは53%のスマホユーザーがページのロードに3秒以上かかると離脱してしまう※1という結果がでています。
Google 社によると全世界で90万のスマホサイトのロードテストをしたところ、ロード完了時間の平均は約22秒であった※1ということです。
上記の調査結果からするとかなり”ヤバイ”状態ですね。
ここから、開発者、デザイナー、マーケ担当全員で自社サイトの確認と、スムーズなモバイル体験を可能にするべく改善が求められています。
 
2.パーソナライズ/顧客の望む形を実践すること。
全米89%のマーケティング担当者がWebサイトまたはアプリで、顧客向けに特化する手法を取り入れたことで、収益増になった※2と報告しています。
米国のある化粧品メーカーは、新製品発売前の準備段階で、メークアップ用品の主流商品へと成すために、Google Insights を使用して商品にまつわる検索キーワードと検索人口統計データを見積りを把握して、パーソナライズされたハウツー動画を作成し公開しました。これによって900万人にリーチすることができたのです。
 
3.ユーザーがどこにいても対応可能にすること。
米国では63%のユーザーが、メディア、チャネル、デバイスのどこにいても一貫した対応を望んでいる※3とのことです。
64回エントリーでも紹介した、Walgreens社(米国薬局チェーン)ではモバイルとオフライン/実店舗をシームレスで一貫した顧客体験を提供しています。
(日本と米国での薬処方事情は異なります)同社では消費者をモバイルアプリを通して医師・薬剤師と結びつけ、実店舗で処方箋を受け取ることができます。
同社では、実店舗とモバイルアプリの利用ユーザーは、店舗のみ利用ユーザーと比較して、6倍の価値があると報告しています。
 
上記1.~3.のポイントを踏まえ、ユーザーの購買行動の変化に合わせて、企業はユーザーエクスペリエンスを再考するタイミングとなります
個々の顧客を一意の個人として扱いながら、摩擦を排除し、チャネル間のギャップを埋めることが重要になってきたといえますね。
 
中小企業にとって、優れたデジタル顧客体験を創造することは、新製品の挑戦やマーケティングの課題だけに止まらず、大きなビジネスチャンスといえるのです!
そして、思い出に残るようなユーザー経験を生み出すことに二の足を踏まずに再投資すること=(イコール)ユーザーのロイヤリティ/心、最終的に企業利益の増大につながりますね。

良質な顧客体験価値 → ユーザーロイヤリティ醸成 → 企業利益

 
今回も拙ブログにお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
次回またお会いしましょう。
次回テーマ:
第70回
モバイルマーケティング戦略の立て方3/5
顧客体験の全過程でブランドを浸透させるには


参考:Google LLC. The consumer behaviors shaping the next generation of mobile experiences 
引用:
※1 Google Data, Global, n=3,700 aggregated, anonymized Google Analytics data from a sample of mWeb sites opted into sharing benchmark data, Mar. 2016.
※2 eMarketer/Evergage, “2016 Trends in Personalization,” conducted by Researchscape. Data was provided to eMarketer by Evergage; June 14, 2016.
※3 Google/Greenberg, U.S., “Rising Expectations in Consumer Experiences,” n=1,501 consumers aged 18–54, Mar. 2017.

第68回中小企業のオンラインマーケティング_モバイルマーケティング戦略の立て方1/5総論

こんにちは、中曽根です。

しばらくお休みしてましたが2018年最初のエントリーです。

やはり、今年もオンライン・マーケティングの課題はモバイル中心になりそうです。

 

ですので、SoneBloでも進化しつつあるモバイル・マーケティングの新潮流を取り上げないわけには行かなくなりました。

よって今回よりGoogle、他社の資料交え、”モバイルマーケティング戦略の立て方”と題して、全6回の新シリーズをアップします。

 

モバイルマーケティング戦略の立て方1/5総論

 

モバイルの浸透によって、マーケティングのルールは書き換えられましたし、言い換えればモバイルは、より効果的なマーケティング・デバイスになったとも言えますね。

 

昨今のマーケティングは、消費者の急なニーズにきちんと対応することも、容易になってきています。このようなことから消費者のオンライン・マーケティングに対する期待はより高まってきているのも事実です。

 

もはや、いままでの範疇内でのマーケティング概念で、この状況に対応するのは難しくなっています。もう今では、顧客体験したものの中でも最良の物を想定したマーケティングが要求されてきています。

 

その最良の物とは、体験のスピード、コンテンツ、クォリティ、アメニティなど様々なものが上げられますね。

 

ここでまず大切なのは、マーケティングメッセージオンリーのような企業の押し付けではないこと。

さらには、且つ回りくどくないこと。

顧客の欲しい情報を時間をかけさせずに楽しみながら、知らない間に体験しているとうような、いわゆる直球的なCX(顧客体験)やジャーニーが上げられますね。

 

引用:(c)EffectiveUI.Inc 
customer-experience-journey-map

このような観点から導かれる最初の課題は、モバイルサイトのロード時間の早さが大切であり、そのスピードへの要求は高くなりつつあります。

 

このような時代では、何の障害もなく素早く顧客体験ができるモバイルサイトを配信する必要があります。

ここで、マーケッターがユーザーのニーズに対応して、競合からも一歩先に行くための方法を4つ紹介します。

 

  1. テクノロジー(ツール)第一なかれ、ユーザー(ニーズ)第一たれ
  2. 顧客体験の全過程でブランドを浸透させるには
  3. 顧客体験を壊す必要性とは
  4. 顧客生涯価値を捉える

 
次回からはこの方法をひとつずつ掘り下げていこうと思います。

今回もお付き合いいただき、ありがとうございます。

近日お会いしましょう!

次回ご案内

第69回モバイルマーケティング戦略の立て方2/5

方法1:テクノロジー(ツール)第一なかれ、ユーザー(ニーズ)第一たれ

 


参考引用: Mastering mobile   (C)2018 Google LLC.

中小企業のオンライン・マーケティング:67回 マーケティング勝者になるためのモバイル戦略6/6(シリーズ総括)

こんにちは、中曽根です。
10月に入りましたが、まだまだ暑い夏日が続いてますね。
皆さんいかがお過ごしでしょうか?
さて、これまで第52回エントリーより、
モバイル制覇がマーケティング勝者になり得るか?
という題目で
micro moments ≒ ”成果につながる顧客接点となる個々の瞬間”
をどのようにユーザー毎のカスタマージャーニーへと誘(いざな)い、
最終目標である利益確定に到達できるかを論点の土台にご紹介してきました。
今日のデジタルマーケティング、中小企業の利益の上げ方について
Google社の資料と共に、昨今のUS企業事例も取り混ぜながら皆さんと考えてきました。
拙論ではありましたが多少はご理解いただけましたか???
いよいよ今回はその締めくくりで、
現状の自分たちの組織についてのチェック項目を考えて見ましょう。
 

67回中小企業のオンラインマーケティング
マーケティング勝者になるためのモバイル戦略6/6
:総括、あなたの企業のマーケティング度チェック項目

 
デジタルマーケティングで主に何らかのトランザクションより企業利益を上げるために、
デジタル機器よりユーザー個々に発生する顧客接点を繋げカスタマージャーニーに乗せ続けられるか、
また、いままでの評価・判断基準を成果獲得のために再構築できるかについて、
以下のチェック項目を自社組織、部署、チーム内に当てはめて自問してみてください。
ここから、何らかの課題や解決すべきタスクなどが見えてくるかと思います。
 

チェック1:

デジタル部門において、クリック数やセッション数の獲得を成果の判断基準としますか?
それとも実際の部門利益確定値を判断基準としますか?

チェック2:

アプリをはじめモバイルを顧客接点とし、小売店やコールセンター等で確定した成果など、
モバイル接触より派生した成果を包括して計測できてますか?

チェック3:

デジタル、販売部門、顧客/対応などそれぞれの部署、チーム間での話し合いはできてますか?
さらに!
企業体の中で、各部門が企業全体利益を鑑みずに自分たちの部門利益を最優先するという最悪な慣習をどうすれば
打ち破ることができ、部門連携を継続できるでしょうか?

 
簡単に取り組めそうなことから、企業体としての課題までピックアップしてみました。
みなさんこれを機会にまずは、部門・チーム内から話し合い始めませんか?
そして中小企業だからこそ、全社的に企業利益の獲得を土台とした各部門のあり方、連携や、成果判断基準など柔軟的に実践していきたいところですね。
 
今回で本シリーズは終了です。
これまで拙論にお付き合いいただきありがとうございました。
それでは、次回より新シリーズで
またお会いしましょう。
次回シリーズはまだ構想できていません(笑)


(参考引用)
Connecting the Dots: Measuring Your Micro-Moments Strategy :Google

中小企業のオンライン・マーケティング:66回 マーケティング勝者になるためのモバイル戦略5/6

こんにちは、中曽根です。
まだまだ昼間は残暑続いてますね。
そろそろ夏の疲れが出てくる頃ではないでしょうか?
 
さて、マーケティングで勝者になるためのモバイル戦略、いよいよ大詰めです。
前回までは
 

63回.デバイス別サイト横断の必要-a
64回.デバイス別サイト横断の必要-b
65回.チャネル横断の必要性

について考えてきましたね。

さて今回は
マーケティング勝者になるためのモバイル戦略5/6
66回:チーム横断の必要

 
さて、65回までの手法を実施するために、組織の関わり方も大切であるということです。内容を確認しましょう。
 
「マイクロモーメンツ」(カスタマージャーニーにおいてユーザーが消費者へと転換し得る大切な瞬時のタイミング群)いやいや、この言葉って丁寧に解説すると余計に分かり辛い日本語ですね(笑) 詳しくは過去エントリーへどうぞ。
 
この「マイクロモーメンツ」とは大袈裟に言って、企業の顧客対応に必要な各部署を横串で刺すように連携して、企業がマーケティング勝者になるための架け橋になり得て、決して軽視できないもの、否タイミングなんですね。
 
またこれは厳密に言うとモバイル、デスクトップ、マーケティング関連の実績やブランディングだけに限ったものではないんですね。
”意図したもの”や、
”行動した状況の流れ”、
”そう思った即時性”
などのニーズを元に消費者が行動する
”消費者がこうしたいな”
というきっかけになるシンプルなタイミングなんですね。。
 
だからこそ、マーケも営業も店舗も顧客相談など各部署で、それぞれ重要なのかどうなのかという部署内の必要論にとどまることなく、組織全体でそれに対応していく必要があるということです。
ブランドマーケティングを担当する部署では、ブランディング力の向上や高感度などのデータを指標にするでしょう。EC部署ではクリックレートやコンバージョンなどの実績値が目標です。
だけど、企業の現場では未だに、ECとインストアマーケティングを分けようと努力している現状が窺えますね。
オンライン販売と実店舗販売にかかわる各部署・チームをより緊密にコラボレーションできるようにするには、自社の組織をどのように配置して、どのように相互作用を生み出していく必要があるかを再考に迫られますね。
ここで大切なポイントを挙げると、
今日のモバイル時代において、マーケティング成果を確実に生み出していくためには、商品在庫や販売目標などを部署間で統合していく必要があるようですね。。
 
さて、ここでUS事例でも覗いて見ましょう。

1851年創業。 写真は旗艦店のヘラルド・スクエア店 。2014年全米45州およびグアムとプエルトリコに合計789店舗を展開。 引用:wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/メイシーズ

marcy's
marcy’sオンライン

 
US最大手百貨店のmacy’sでは、マルチチャネルでの消費者のほうが単一チャネル消費者より8倍以上のバリューがあるという現実を認識したそうです。
US事情とはいえ、この事実は衝撃的です。
また、それ以降に経営陣はオンラインとオフラインのマーケティングの協同を決断したそうです。
 
その手法や如何に、
macy’sでは社交ドレス分類商品より手始めに、オンーオフライン在庫を結合して統一販売目標を設置し試験販売しました。在庫元帳、オーダーファイルを共有することで、在庫管理の目標を明確化することができたのです。
その結果として2015年にmacy’sは好結果を得ることとなり、該当分類でのマーケと商品部の再編を発表しました。
 
また、そこでのアナウンスの一部に、

「成果目標を統合したデジタル販売と実店舗のチームによって、部署間で顧客獲得に翻弄することを止め、顧客のニーズを捉える業務へと注力できるのです。」

“With the digital and offline teams united behind one goal, they could stop fighting over the customer and start fighting for the customer’s
needs,”
英語のアナウンスの”fighting”にある種”アメリカ的な勢い”を感じ感銘を受けましたが、意訳でも中々考えさせられるコメントですよね(笑)
 
さて、今回も駄文にお付き合いいただきありがとうございました。

次回予告:
マーケティング勝者になるためのモバイル戦略6/6
67回:【総括】企業の今時マーケティング度チェック項目

お楽しみに。
 
(参考引用)


Connecting the Dots: Measuring Your Micro-Moments Strategy :Google

中小企業のオンライン・マーケティング:65回 マーケティング勝者になるためのモバイル戦略4/6

こんにちは中曽根です。

梅雨明け前だというのに連日の猛暑!いかがお過ごしですか?

 

天気予報アプリの日中の晴れマークがいつもは穏やかなオレンジ色なのに、最近では燃えているような真紅/辛苦??になってます()

 

前回までは、マーケティング勝者になるためのモバイル戦略として、3回/全6回でざっくりと掘り下げてきました。

 

今回は第4回目
中小企業のオンラインマーケティング
マーケティング勝者になるためのモバイル戦略4/6
65回チャネル横断の必要性

 

前回までのおさらい

62回.まとめ

63回.デバイス別サイト横断の必要-a

64回.デバイス別サイト横断の必要-b

 

米国では近年、小売店への入店数が減少しているようです。昨年単年でみても7%以上の減少値となっています。

 

しかしながら、同年での小売業者の販売額は増加??しているという逆転現象がみられているようです。これはどうしたことでしょうか?1

その背景を探ってみましょう。。

 

確かに消費者が店舗を訪れる回数は実際減少したのですが、来店時にはお目当ての商品についてはよく分かっているからです。これは87のユーザーが来店前には検索リサーチをしているとの実態があるからです。*2

 

検索後のユーザー行動を計測すれば、大切なユーザーについてそしてユーザーがいかにして購入に至ったかということが分かります。

 

さてさて言いたい事はわかるけど、その手法や如何に…

AdWords Store Visits Reporting なるGoogle社レポートによると、オンラインの各チャネルが買い物客をリアル店舗へ誘導するための判断と最適化など理解できるようです。

 

たとえばUS携帯電話事業者Sprint(ソフトバンク傘下ですね)では検索連動広告からのオンライン売り上げは小売ショップの5倍に相当するそうです。

 

また、USペット用品販売事業者PETSMARTでは、検索連動広告を踏んだ10-18のユーザーが、結果として30日以内に小売ショップへと足を運んでいるそうです。

 

では、US百貨店Searsが、モバイル買い物客対象に複数の戦術を打ちたて、いかにして彼らに関連商品を提示して最寄のショップへと誘導したをさわりだけ紹介しましょう。

 

Sears Hometown and Outlet Stores(家庭用品店)ではオンラインショップ同様に12,000点以上を取り扱ってます。またリアルショップの商品全てがオンラインで購入できるわけではないようです。。

 

Sears Hometown and Outlet Stores, Inc. is a national retailer primarily focused on selling home appliances, hardware, tools and lawn and garden equipment.

 
 

どうやらこの辺に何かが隠れていそうですね。

ここに、モバイル買い物客をリアルショップへと足を運ばせるための戦略があるようです。

 

Searsの検索連動広告に秘策があるようです。

モバイルユーザーがある商品を検索すると、SearsGoogle AdWordsの「ローカル在庫広告」を使って、その商品を取り扱っている最寄ショップがどのくらいの距離にあるかを正確に掲載しているそうです。

 

Google AdWords
Local Inventory ads

(Google Merchant Center ヘルプより引用)
 
 

なるほど、確かにすぐにお目当ての商品が欲しくて、リアルショップが現在地よりさほど離れていないような状況なら、実際に商品を手にとって確かめてみたいと思うかもしれませんね。

 

Searsのショップへ誘導したデータによるとドル$ベース売り上げで(Searsはインターナショナルセラーなんですね~!)、ローカル在庫広告はTV広告の5倍以上の売り上げとのこと!!

 

また、モバイルより商品検索している消費者は、デスクトップで詳細を調べるユーザーより地元ショップに来訪しがちだそうです。まぁデバイス特性からしてこれは当然ともいえますけどね。

 

確かにこれだけで判断するのはデータ偏重かと思いますが、ローカル在庫広告を利用すると検索ユーザーにはダイレクトで売り場案内(営業時間・在庫・売り場までの道順等)は可能なわけです。これは優秀な戦術に間違いありません。

 

これらの事例のように、折角投資したオウンドのチャネルを各々個別に運用するだけでは投資に見合ったリターンを期待することは難しくかつ勿体無いです。

チャネル毎にユーザー接点(ドット)を放置することなく、あるチャネルのドットで接触したユーザーはオウンドチャネルの中で最も相応しいチャネルへと誘い、チャネル毎に互いに長所を活かし補完する”チャネル横断のダイナミズム”をカスタマージャーニーへ取り込みたいですね、ということです。

 

中小企業のオンラインマーケティングでは、このように大資本でなくともオウンドチャネル、メディアをどう活かしていくかを大切なポイントとして、これからも色々な視点から考察していきたいと思っています。

 

今回もお付き合いいただきありがとうございます。

それではまた次回お会いしましょう。

 

次回予告:
マーケティング勝者になるためのモバイル戦略5/6
66回:チーム横断の必要

 

今回もお付き合いありがとうございました。

次回またお会いしましょう

 

(参考引用)


Connecting the Dots: Measuring Your Micro-Moments Strategy :Google

1. Euclid Analytics, “U.S. Retail Benchmarks Mid-Year Report”, 2015.

2. Google/Ipsos, “Digital Impact on in-store shopping”, U.S., October 2014.

中小企業のオンライン・マーケティング:64回 マーケティング勝者になるためのモバイル戦略3/6

 
こんにちは、中曽根です。
梅雨の合間に夏日になったりする日和ですね。いかがお過ごしですか。
 
さて、52回より”モバイル制覇がマーケティング勝者になり得るか?”と冠していろいろと考えてきました。
ようやくシリーズの総集編(4回の予定でしたが分割して全6回に変更)に辿り着きました。ここではマーケティング勝者になるためのモバイル戦略についてざっくりと掘り下げてみます。

今回は第3回目
中小企業のオンラインマーケティング
マーケティング勝者になるためのモバイル戦略3/6
64回デバイス別サイト横断の必要-b

について掘り下げてみましょう。
 

前回のおさらい
アトリビューションマネジメントの罠
1.モバイル売り上げの裏側で起こっていることを考える
2.マルチデバイスの利用について

 
前回までは広告アトリビューションへの過度な偏重はモバイル戦略ひいてはKPIへの支障をきたす可能性があること。
そしてユーザーの日々のモバイル使用実態の裏側を考え、マーケティング上でマルチデバイス、クロスデバイスコンバージョンまで視野に入れる必要性等について触れてきました。
それでは今エントリーへと繋ぎます。
 

3.モバイルからの電話について

 
U.S広告会社BIA/Kelseyによると、2018年にはモバイル検索によって、2013年の300億コールから730億コールへと引き上げをもたらすと試算されてます。
中小企業オンラインマーケティングではbillionコール数は少し大きな単位に感じますね(笑)
特に生命保険やクレジットカードなどの個人情報や金融業法の絡む複雑な金融サービスなどにおいては、モバイルコールはウェブサイトのコンバージョン率より高くなる場合があります。
分かり易く言い換えると、ウェブサイト上のclick to callリンクも含めてモバイル機器からの電話は、企業にとって部分的または総体的にコンバージョンに結びつくといえるようです。
 
これはモバイル電話=コンバージョンとも言い換えられます。
これは聞き逃せない今回のポイントかもしれません。コールセンターやインバウンドチーム、営業部隊などにフィードバックしたいですね。
仮にカスタマーサービスや営業部門などにモバイル機器からの電話が入ったとすれば、その僅かなコンタクトタイミングにおいて、該当ユーザーを購入サイクルに引き込めるかどうかがとても重要になってくるということです。
 
これは、マイクロモーメンツ/顧客転換機会と捉えることが出来るならば、受けて側はそれなりに訓練を受けた技量のあるリソースを配置することによってこそ、コンバージョン率を上げていくことが出来るわけですね。
 
ここで、
U.S信用調査会社のProgrexionの例を見てみましょう。
 

 
同社は、コールセンターの対応によって売り上げをみすみす逃していたことが分かったのです。
それはモバイルコールのユーザーは購入ファネル(コンバージョンに至る経路)の早期段階にいることが多く、彼らにとって購入に踏み切るためには、より多くの情報を与えることが必要であったからです。
そこで彼らは、コールセンターの受付時において複雑な信用回復サービスの潜在顧客に対しては営業部門のエキスパートへと電話転送して懇切丁寧に情報提供を行うことによって、一年未満でモバイルコールからの売り上げ221%増を果たしたのです。
モバイルの平均価値/申し込みはデスクトップと同等レベルにまで成長しました。
 

4.アプリでインストール数以上に大切なこと

 
モバイルコールに引き続き、次に留意するポイントはアプリケーション。 アプリをダウンロードしてもらいその後にアプリ経由で購入されなかったとしても、アプリユーザーの価値は高いのでそれなりに対応するべきです。
アプリユーザーとの関係強化がポイントになります。アプリのインストール数だけ伸びればよいとしていては先がありませんね。
取引や売り上げを増加につながるこれらユーザーとのengage/関係強化のためには、いかに役に立つコンテンツや機能性を提供できるかを日々追及しなくてはいけないということですね。
 
次に
US薬局チェーンのWalgreens社の例を上げます。

同社は、ユーザーがチェーン店舗内でショッピング中に自社アプリを使用している実態を理解し、飛躍的にカスタマーエクスペリエンスを向上させることに成功しました。
その手法とは、モバイルSMSや処方箋のバーコードをスキャンしてリフィル処方箋で調剤来店するユーザーに対して、アプリで特売品などの呼び物を取り上げ、そのままアプリから決済もしくはレジに運んでもらえるように促したのです。
同社は2011-12年の間でアプリダウンロード数が倍増し、モバイルから調剤依頼が全体の52%にまで達したとのことです。日本の薬事法との違いもあるのかモバイルから調剤依頼できるのは待ち時間の短縮にもつながったり労働コストにも貢献できるし、とても便利ですね。
さらには、各種予防接種なども調剤薬局で行ってるということらしく、同社のアプリには自分や家族の予防接種履歴なども管理できるようです(驚)
日本と違ったアメリカのセルフメディケーション事情が伺えます。
 
セキュリティ向上は当然としても、ただ使い易い、流行の手法を導入する、など目先の改善だけでなく、アプリがどのように使用されているかをまずは認識することから初めましょう。
最近目にするのはエンゲージメントにプライオリティ置き戦略をたてましたという企業さんでも、ともすると企業側の自己満足に終わってしまっているのでは???
というケースに出くわします。
大切なのは、まず使用実態をどの程度深彫りしてユーザーサイドの目線に降りてこれているかというところから、その上で必要と判断されるコンテンツの補強や、ユーザーエクスペリエンス向上によるエンゲージメント/関係強化に結びつくアップデートを基本に据えてアプリ戦略も進めていきたいものですね。
 
今回もお付き合いいただきありがとうございます。
それではまた次回お会いしましょう。
次回予告:
マーケティング勝者になるためのモバイル戦略4/6
65回チャネル横断の必要


(参考引用)
Connecting the Dots: Measuring Your Micro-Moments Strategy :Google
 

中小企業のオンライン・マーケティング:63回 マーケティング勝者になるためのモバイル戦略2/6

こんにちは、中曽根です。
日中は真夏日のような暑い季節になってきました。いかがお過ごしですか。
さて、52回より”モバイル制覇がマーケティング勝者になり得るか?”と冠していろいろと考えてきました。
ようやくシリーズの総集編(4回の予定でしたが今回2分割になるので全6回)に辿り着きました。ここではマーケティング勝者になるためのモバイル戦略についてざっくりと掘り下げてみます。

今回は第2回目

中小企業のオンラインマーケティング
マーケティング勝者になるためのモバイル戦略2/6
63回デバイス別サイト横断の必要-a

について掘り下げてみましょう。
 
多くの企業が、デジタルビジネスの効果測定にPC,モバイルごとにコンバージョン(顧客転換数/率)、CPA(単位顧客獲得単価)をマーケティング指標としているのが一般的ですね。
大企業の40%*1 においては、デジタルマーケティングおけく各コンタクトポイント(各種ネットワーク広告や、リスティング広告、自然検索、ソーシャルと広告、参照元、メール、直接アクセスなど)
および出稿メディア(純広告など)のパフォーマンス測定において、コンバージョン経路の「起点」となる最初のコンタクトポイントもしくは「終点」となる最後のコンタクトポイントかに貢献度合いの重きをおいてます。
アトリビューションのタイプは、販売やコンバージョンに至った広告の貢献度をコンバージョン経路のタッチポイントにどのように割り振るかを決めるルール。
 
たとえば、「終点」モデルでは、販売やコンバージョンに至る最後のタッチポイント(クリック)に 100% の貢献度を割り振り、「起点」モデルでは、コンバージョン経路の最初のタッチポイントに 100% の貢献度を割り振ったり。
その他「間接」、「最後の間接」、「線形」、「減衰」、「接点」など、様々なタイプと貢献度合いの分析がされ、マーケティング予算割り振りの参考にされてますね。
しかし、これらの測定値を個別にチェックした場合、モバイル接触についてはあまり過度に貢献度合いを設定するわけにはいきません。
その理由は、多くのモバイルユーザーそれぞれの使用状況におけるコンバージョンへの道筋において”マイクロモーメンツ/大切な接点”(第5261回エントリー参照)を開示してくれないからです。
 

アトリビューションマネジメントの罠

この貢献度合いだけ注視しすぎてしまうと、ビジネス本来の重要な売り上げ、収益や収支といった基本から遠ざかってしまう可能性があります。
これでは木を見て森を見ず、というどうしようもない状況に陥ってしまいますね。
あくまでもコンバージョンの高く、獲得単価の低いコンタクトポイントの貢献度合いを測定する参考値レベルと割り切りましょう。
中小企業ではそれ以上の分析などは深入りせずに、上記のとおり本来のビジネスビジネスゴール獲得のポイントを大切にしたいところです。
本来なら企業のKPI(重要業績/経営指標)とは利益貢献に対するマーケティング流入総計であるべきです。現場レベルの判断材料としてはさておき、業績や経営判断のレベルの場合には、マーケティング指標単独への貢献値にとどまっていてはビジネスがままなりませんね。
例えば、Google AdWordsなどの検索連動型広告で見た場合、モバイル機器のサーチに対して入札単価を高く設定してみたとしても、アカウントのパフォーマンスが全体でどのように変化したかを見るべきであって、
PCユーザーとモバイルユーザーと分けて結果を見るのではなく、全体として捕らえるべきであります。


1.モバイル売り上げの裏側で起こっていることを考える

もしもモバイル機器での売り上げがカウントされていない場合でも、モバイルが何の役にも立っていないとするのは早計です。ユーザーによっては様々な目的があって自社ブランドへ接触していることを思い浮かべてください。

モバイル機器の使用環境下では、価格チェックをしたり、サイズやレビューを見たりしている傾向があります。または店舗への道案内を調べたりアプリをダウンロード、商用の電話をする場合もあります。

これらの”僅かな顧客コンタクトの瞬間”を察知するのはとても難しいのです。

--そしてコレが出来れば間違いなく成功なんですけどねーー

 
なぜならユーザーが購入意思決定をする究極のタイミングになってくるからです。
データによるとUS.の小売市場で約一兆ドルの売り上げがモバイル機器の何らかの接触に影響を受けているらしいのです!!*2
Google AdWordsで見た場合、コンバージョンレポート(AdWords Cross-Device Conversions)でモバイルコンバージョンのタイプを計測することができます。
ここではモバイルからデスクトップ、サイト、アプリ、または実店舗(click to callなどの設定時)などコンバージョンすべてに貢献した状況を計測できます。


2.マルチデバイスの利用について

今日では、ホテルを予約したり、家電製品を買ったりするような日々の行動では90%*2のユーザーがマルチデバイスを利用しているとのこと。またスマホユーザーで様々な情報検索してるユーザーの40%はデスクトップで購入*2しているとのことです。
このマルチデバイスでの行動を加味してアトリビューションのどこに重きを置いた戦略にするかは、判断の難しいところです。
最終コンバージョンや販売の機会損失になりそうなデバイスに如何せん過度に予算投下しがちなのはよくあることです。
 
U.S photobookメーカーのShutterfly社の例を見てみましょう。

ソネブロ

 
同社ではGoogle AdWordsでクロスデバイスCV/複数機器を経由したコンバージョンを計測することによって、顧客の購買行動にモバイル機器がしばし利用されていることを発見しました。
その結果を受けてアドワーズのキーワードを全てモバイル寄りに(モバイルで入力されがちなワーディング)に調整したのです。この最初におこなった最適化を通して、僅か1年足らずでデジタルコンバージョン全体を15%増へと導いたのです。。
 
ここで海外といっても世界的事情になりますが、クロスデバイスを含めると小売業ではコンバージョン値16%引き上げられたというデータ*4を紹介します。
 
クロスデバイス付加によってGoogle AdWordsコンバージョン増となった業界値

・ビジネス&工業:4%

・消費財:11%

・テクノロジー:7%


・小売業:16%


・旅行業:14%


・自動車:4%


・メディア&娯楽:5%

 
このように小売業の16%をトップに旅行業14%&、消費財11%へと続きます。この辺のEC運用ではクロスデバイス・コンバージョンを考慮に入れた戦略へと見直す必要がありそうですね。
 
続きは次回、64回デバイス別サイト横断の必要-b(2-b/全6回) で掘り下げたいと思います。
今回もお付き合いいただきありがとうございます。
それではまた次回お会いしましょう。
 


(参考引用)
Connecting the Dots: Measuring Your Micro-Moments Strategy
*1-3 Google/IAB “Our Mobile Planet,” May 2013
*4 Google AdWords Internal Data 2015