中小企業のWeb戦略:第3回 業務課題を解決するWebサイト活用 (1)

こんにちは、中曽根です。

前回(売れない時代こそ、必要とされる中小企業のWeb戦略 ~Webサイトの戦略とは具体的にどういうもの?(その1)、(その2) ~では、Webサイトの戦略の立て方についてお話ししました。

中小企業にとって単なる情報掲載ツールレベルのWebサイトから脱却していただき、ビジネスの成果を生み出すサイトへと転換するために、今こそWebサイトの戦略を策定し実践していく必要があること。そして、Webサイトの戦略をどのように策定するかといった方法を説明いたしました。それでは今回のエントリーに移ります。

シリーズ:「売れない時代の中小企業Web戦略」

第3回 

業務課題を解決する中小企業のWebサイト活用

~(その1) ビジネス目標とサイト運用成果の明確化 ~

今回からは2回に分けて、戦略に対する結果として数値の捉え方を説明します。

「一般的にWebサイトの成果数値は何ですか?」いえば、そう「サーバログやアクセス解析結果」とお答えいただくかと思います。具体的には、サイト閲覧数や訪問者などを日々追っていられる方も多いと思います。

じつはこれ、半分は正解ですが、半分は誤りです。

なぜ、半分が誤りなのでしょうか?

確かに数値の把握は正解なのですが、販売サイトなどでの売上金額や購入・申込者(予約)数以外の場合、上記の数字だけではビジネスの成果と結び付きません。

たとえば、ある特定の売り上げ(見込客発掘、会員獲得など)が、どのようなコンテンツページのPV(閲覧)から問合せや会員組織ご入会・お試し申込ページなどを経由して発生して、営業部門、販促部門などへリストを送客していったのか。

また、売上(販売数量・金額・商談・入会・来店数…)や採用活動などにどう影響を与えたのか。また、サイトでの掲載情報・コンテンツの制作工夫によって、電話の問合せ(コールセンター問合せ)数にどのような相関が出ているのかなど‥。

要するに、

社内他部署の業務成果とWebサイト経由で発生した成果数値の因果関係を明らかにして、その結果を会社全体で管理していただきたいということです。

このように部署ごとの業務成果の数値に、Webサイト成果数値が貢献するようになることで、Webサイトの担当者にとって社内での業務進行も楽にかつ、協力を得られるようになるだけでなく、中小企業であれば部署間の連帯により生まれるシナジーも無視できないはずで、業績への貢献も必然的に派生してくると思います。

Webサイトから業務成果目標へ到達した数値を把握、管理する

連載第1~2回、Webサイトの戦略で話した通りに、ビジネスの成果を実現化するためにWebサイトは設計されるべきであり、Webサイトのタスク(役割り)を出来る限り具体的に設定することから始めます。

そして、次には具体的なタスクに対する測定値を指標として設定します。具体的にどのような指標を設定するか例を上げてみましょう。

・売上・営業指標

(サイト販売金額・数量、サイト専用商品販売額、リアル営業への送客など)

サイトでの実販売金額や数量など直接的な売上に関連するもの。多くの説明や説得を要する様な商品・サービスの場合は、サイトでの販売(営業)が向いていて、そこから発生した売上を営業部門へフィードバックすることも多々あります。

プロモーション(広告や他の販売促進活動)がWebだけ場合なども同様に派生売上を営業部門と共有することができます。Webからダウンロード可能な割引クーポンや、ノベルティ引き換え券などが使用された指標は分かり易いですね。販売サイドと連携して成果数値を集めてください。

また、業界内のニュースなどをまとめたメールマガジンの発刊、オフ会、SNSなどによって、潜在客やニーズを収集することができ、そこから会員組織などへ発展した場合(予めコンタクトの許諾を得た場合)は見込客として、支社支店・営業所、部門へと送客も可能です。

また、セミナー開催によって集まったリストも、後々の営業開拓先としてフィードバック可能です。(ここからは営業部門との連携が重要です。)

・コスト効率(削減)指標

(営業コスト、業務システムによる人的コスト、問合せ担当者コスト、広告・広報コスト、通信コストなどなど・・)

上記売上指標での寄与が現実となってくれば、営業コストにかかる貢献といえます。広告費・営業経費、販売代理店マージン等とのCPA(顧客獲得単価)、新規顧客開拓単価の対比が可能です。またWebサイトでの直販が可能であったり、バーチャルショールームなどが可能であればそれこそ、それぞれにかかる大きなコスト削減となります。

また、今までメールや電話、FAXなどで本社・本部、支社支店との業務連絡やデータ転送など行ってきた場合の人的コストや人為的ミスなどもWebシステムなどによって支社支店のサーバのクラウド化や一通、一件当たりの通信コストなどにも換算できます。

・CS(顧客満足)、サポート的指標

例えば顧客問い合わせ窓口をリアルで運用または外注していた場合、WebサイトでQ&Aを充実させたり、エンジンを導入して1件当たり対応コストに換算・比較することのみならず、発生した問合せをサイトへコンテンツ化したことによって関連する問合せ数を減らすこともできます。

また、自社商品の詳細資料(チラシや説明補足資料など)の追加や、詳細解説ページの追加、商品開発サイドのオープン可能な情報掲載、商品ごとのFAQの充実やお客様事例の紹介、会員組織の運営など、ユーザーニーズを汲み上げるコンテンツの追加や、地道なコニュニケーション作りによって、顧客の満足度は少しずつでも確実に積み上がっていくことになります。

・ブランディング

ブランディングといっても中小企業で出来ることは限られてくるかと思います。ただ上記のような至極当たり前の業務改善を保持していく姿勢こそが、顧客からの信頼・信用を得るための礎でしょうし、このような一つ一つの改善によってWebで得られるユーザーからのアクション(成果)が必ず数値となって現れてきます。

コンプライアンスは言うに及ばず、このようにほんの些細なことでも改善可能なことを形にして積み上げた結果こそが、中小企業がユーザーから得られるブランドなのではないでしょうか。

数値的に限定するのはある意味難しいですが、リピート購入・閲覧数や、ロイヤル顧客数、就職応募数、会員組織でのアクティブ会員数、外部評価としてブログやソーシャルメディアでの自社・商品の記述数などから把握することができますね。

今回はWebサイトの運用結果がどのように業務成果に貢献しているかを把握する重要性をご理解いただけたと思います。

また、「何ら業務成果に結び付いていないなぁ~」などの場合は、サイト運用自体が黄色信号が点灯し始めたと思ってください。このままほっておいたら、折角作ってきたサイト・コンテンツがダメになってしまいます。

さて、次回はいよいよ、こんな状況を打開するために、頑張って策定したWeb戦略をどのように実務へと落とし込んでいくのかを考えてみます。
それでは、今回もお付き合いいただきありがとうございました。

次回予告:

シリーズ:「売れない時代の中小企業Web戦略」

連載第4回 

業務課題を解決する中小企業のWebサイト活用

~ (その2)業務課題の解決に向けたWeb戦略の実施フロー  ~

次回もご期待いただければ幸いです。