シリーズ:「売れない時代の中小企業Web戦略」
第5回
新規顧客開拓に向けた中小企業のWeb戦略実施フロー(その1)
こんにちは、中曽根です。
さて、前回は全社的な業務課題に対してどのようにWebサイトの戦略を展開していくかをお話ししました。今回は中でももっとも、大変な課題の一つといえる”新規顧客の開拓”について、Webサイトはどのように設計して運用していくべきかを考えてみたいと思います。
Webサイト運用における新規顧客開拓とは
ユーザーが法人か消費者かいわゆるB2B、B2Cによっても詳細・各論の手法は変わってくると思いますが、本記事では両方に該当する部分を中心に展開してみたいと思います。
また、サイト自体で新規開拓といっても、トランザクション系の決済(カート)システムを含むECサイトなどで売り上げ計上する場合と、資料請求や問い合わせ、訪問希望など、営業セクションへの送客といった場合があります。
過去の連載にありますように、すでに御社サイトにもWebの成果目標=業務課題が設定され、それに向けWebサイトもPDCA(計画→実行→効果→測定→改善)を実施していることと思います。(???)
ここで大切なのは、Webサイトには”ゴール=サイト運用の最終目標”が設定されているべきであり、ここに新規顧客を目的ページへ誘導したり、買い物かご・フォームへの入力へと誘うこととなりますね。
多様化するユーザーニーズに対応するために
マスプロダクション時代のマスマーケティングとは違い、広告だけでユーザーをアクションさせることが難しくなってしまいました。広告は情報訴求を中心としたプッシュメディアですが、ユーザーは自分に関心ある事柄、いわゆる””自分ごと”を中心に情報を取捨選択します。
4マスメディアからのみ情報入手した時代から、インターネット、携帯、ネット対応端末(ゲーム含む)まで、過去10年と比較すると約400倍もの情報量の格差があるといわれています。ユーザーは必然的にプッシュメディアをスルー(無視)し、自らにとって有益な情報を探し回り、かつCGM:ブログなどソーシャルメディアにおける他ユーザーの評価を能動的にチェックするのです。
そんな多様化したニーズであるからこそ、ユーザーを能動的にさせる戦略が必要です。貴社Webサイトでもただサイトを構築して、広告を出しているだけでは、なかなか成果へとつながらないかもしれません。
まずはサイト構造をチェック
ここで一番最初に、サイト構造をチェックしましょう。IA(情報設計)などと小難しいことはいいません。ユーザーの多様化したニーズに対応したWebサイトの入口ページが必要となってきます。
これは、検索結果や検索連動型広告でのリンクしたページのことですが、貴社のメインで訴求したい商品ごとに入口を設けているでしょうか?
要するに、ユーザーがせっかく自然検索で、あるいは検索連動型広告で貴社サイトへと流入してきてたとしても、例えば全てトップページにリンクする、あるいは商品一覧ページなどにりんくして、ユーザーが探したい商品・サービスに直接たどり着けないということが起こりえます。
また、広告+ランディングページに予算を多く投下している場合も、低価格商品なら内容次第でユーザーはすぐに、言い方を変えれば衝動的に申込フォームへと遷移するかもしれませんが、説明・説得型の商品/サービスの場合、ランディングページ→ 申込/購入フォームへとそんなにスムーズに帰着してもらえるでしょうか?
検索連動型広告の運用に問題があるのでしょうか?それともランディングページのクォリティ、クリエイティブに問題があるのでしょうか?たくさんのランディングページを準備しても、サイト回遊してもらえず、ゴール到達前に離脱してしまうのはなぜでしょうか?
(ここではEFO:フォーム最適化はまだ考えません)
ここで申し上げたいのが、サイト構造としてまず、商品/サービスごとのサブ・トップページ的(index的)に下層のコンテンツ・ページを入口ページ(サイトへの流入ページ)にすることです。そしてサイト回遊により充分な情報を提供して、潜在ニーズを徐々に顕在化へと後押ししていきます。
入口ページ以下のコンテンツをきちんと作りこむ
せっかく入口ページを作ったとしても内容が薄すぎては、折角流入してもらったユーザーにみすみす離脱を促すことになります。
上段でも述べましたが、”Webサイトのゴール=サイト運用の最終目標”としてCV:コンバージョンしてもらうためには、ユーザーの欲する情報:コンテンツが、ユーザーニーズレベルに相当させる必要があるということです。
具体的には、ある商品/サービスの入口ページから、以下の様なコンテンツをまとめます。
商品/サービスの詳細情報として例えば、
・食品なら成分情報など
・食品なら成分情報など
・他なら開発情報
・技術情報
・パーツ情報
・お客様事例
さらにサポート情報として
・Q&A
・FAQ
・問合せ窓口
大まかにこんな感じで展開(必要とあれば上記も入口ページ化して下層ページを充実する)します。
これらのコンテンツを関連コンテンツとしてサイト内で相互リンクさせる構造を採用することで、例えば技術ニーズの顕在化したユーザーは技術情報を筆頭にサイト回遊をさせることができ、また業務課題の解決ニーズが顕在化したユーザーに対しては、お客様事例を皮切りにサイト回遊させることとができるのです。
まず手始めには、それぞれのユーザーの意図を組み上げるサイトの情報設計を作っていただきたいと思います。
さて、次回は本理論をもとに実務をフロー化しブレイクダウンしていきたいと思います。今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
次回予告:
シリーズ:「売れない時代の中小企業Web戦略」
第6回
新規顧客開拓に向けた、中小企業のWeb戦略実施フロー(その2)
次回もよろしくお願いします。