シリーズ:「売れない時代の中小企業Web戦略」
第7回
顧客満足によるリピーター確保(その1)
こんにちは、中曽根です。 前回は、集客~サイト入口ページの準備~アプローチ~ふるい分け~営業アプローチをおこなう、Webサイトでの新規顧客開拓の実践フローについてお話いたしました。さらにそのフローについての効果測定として"アクセス解析"をどう活用していくのかについても述べています。
さて、今回は"顧客満足を実現する中小企業のWeb戦略"について、どのように考え実践に移していくかの方法をお話ししたいと思います。
Webサイトにおける顧客満足とは?
Webサイトにおける顧客満足とは一体どういうことでしょうか?(ここでいう顧客とは既に自社との利害関係にある顧客だけにとどまらず、潜在顧客、見込客なども含めて顧客とします。)
一般に顧客満足を考えるとリンクの様に定義されるかと思いますが、一言でいえば「顧客の期待以上の価値を提供すること」ではないでしょうか。
ということは1回満足するレベルにいったとすると、次回はそれ以上を提供しなくてはいけなくなってきますね。そういう視点からも常に我々企業活動は、現状把握から課題抽出、改善、結果確認というサイクルが必要だと分かりますね。。(確実に実践するのは中々難しいかもしれませんが、、)
また「企業の利益は顧客満足の総和である」という言葉があります。要するに顧客満足にかかわる部署の実態すべての結果が企業利益を左右するということであり、決して大袈裟ではなく全社的に大切なことであると認識できます。
ですので単純に顧客接点/コンタクトポイントの部署(営業、店舗、コールセンター、Webサイト・・・・)だけではなく、企業ホームページで顧客満足を実施するということは、全社的に取り組むべき、終わりのない課題ということですね。
では、Webサイトにおいて行うべき顧客満足はどういうものかをポイント整理してみます。
(1).Webサイトは企業活動におけるコンタクトポイント/接点の一つであると同時に、各々のコンタクトポイントのある意味ハブ的な役割も担うこと。部署ごとのセクショナリズムに関係なく様々なユーザーニーズに対応すること。
(2).ユーザーが成し得たいということ(情報検索、疑問払拭など)についての解決手段にどういうものがあるかを分かり易く照会できること。
(3).Webサイトで何が解決できるかが明確になっていて、その方法・資料等ソフトが提供されていること。
(4).上記(3)に付随してWebサイトでは解決できないことに対する窓口の案内が提供されていること。
大まかには上記のように定義づけられます。WebサイトはFAQやお問合せだけが顧客満足につながる要望の受け入れ先なのではなく、サイトでトータルに顧客サポートを行うことが大切な課題です。このように課題から実際にサイト設計をどのように考えるかを以下に説明します。
サイト設計における情報構築の方法
では、Webサイトで顧客満足を実現させるために、具体的にどのようにサイト設計していくかといった"情報構築"を順を追って考えてみましょう。
1.ターゲット別にユーザーシナリオを設定
Webサイトのユーザーを自社のターゲット別に選別します。潜在層、見込客(顧客予備)層、顧客層といった市場から顧客(ここでは再訪問やリピート購入施策については省略してます。)といった流れで選別してみます。 そこでターゲット別にWebサイトで達成したいニーズはどういったもので(スタート)、Webサイトでどのように解決出来るかを(ゴール)、もれなくパターン化してみましょう。
例えば、潜在ターゲットに対して、以下のようなシナリオを考えてみます。
・必要情報の提供"自社取り扱い商品/サービスの潜在層がターゲットなら、このような情報は提供する必要があるだろう。・知識供与~啓蒙それに対して__な知識も提供することで、__な啓蒙もできる。・アクション1へ誘導ここまで進んでもらった訪問者に対しては、会員組織への入会やプレゼント・キャンペーン等に向けてメールマガジンを購読(アクション)してもらえるだろう。アクションがNOの場合、別アクションへの入口もそこに設置しておく。・アクション2へ誘導先ほどのアクション1を促せなかったとしたら、試供品やモニター登録など、さらに別のコンテンツ・ページを準備して、サイトへリピート訪問してもらおう。
などといったような具合に、訪問者、潜在層、顕在層、会員、見込客、既存客、優良顧客などターゲット別に色々なパターンを想定し、現実性のあるユーザーシナリオを設定していきましょう。
2.コンテンツを企画する
ターゲット別に設定したユーザーシナリオを前提としてコンテンツを企画します。(ここでは一般的なシナリオを前提に解説します。)
(1)潜在層向け---「知識提供、気付きを提供」
自社商品/サービスの市場や一般的な情報に加えて、商品/サービスの基礎的な情報や選択時のポイントなど、自社の商品にまつわる基本的な情報を提供することで、閲覧者より潜在層を抽出できるコンテンツを企画設計します。
(2)見込客(顧客予備)層---「商品選択においての必要十分な情報提供」
次には、興味を抱き始めているターゲットに対して、自社商品への選択を後押しできるような商品詳細情報をコンテンツ化します。また、ユーザーは常に複数の同業サイトを比較検討して自分にとって最も有益なものを選択する、ということを念頭に置いていていただきたいと思います。
ですので、この段階では競合となるサイトも数社検討しながら、ベンチマークしている他のサイトで掲載されている切り口も自社に取り入れ、まず第一にユーザーの比較対象の土俵に乗せることが大切です。これを怠ってしまうことで、ユーザーの取りこぼしが発生しますので注意が必要です。
ユーザーは必要情報(例えば商品のサイズ、必要ソフト、対応OSとバージョン、組み立てや設置方法、最低契約・保証期間、返品・キャンセル方法や有効期間などなど)を色々な角度で比較検討しているので、それを掲載していないサイト=会社はその時点でスルーされているとお考えください。
また、公表することで自社商品が他社商品に劣る部分があったとしても、マイナス情報ととらずにユーザーに対して必要な情報を掲載してきちんと対応している、と捉えるべきです。
さらに、そこから購入(契約、申込、入会...)やそのやり方、手続きなど"次のシナリオへの導線(ボタンやリンクの配置)"が分かり易く自然に配置されていることは、言うに及びません。
(3)顧客層---「案内・手続き情報提供」
いよいよ購入、契約、申込、入会...アクションしていただくユーザーに対して、ここでは絶対に取りこぼしを行わない、あるはアクションいただいた顧客には、その後のこちら側からのレスポンス(手続き後に商品・サービスが手元に届く商取引の完了まで)のガイダンスやサポートが届くように細心の注意を払います。
アクション前なら、その手続き方法をテキスト、フローなどで分かり易く解説します。また、この段階で大切なのは、途中解約やキャンセル、返品など、企業にとっては営業マイナスな情報と思っても、商取引上で必要なものは必ずシナリオ化してコンテンツを設定します。ここではテキストだけでなく、出来るだけわかり易いフロー図などで可視化しておくことです。
これによってユーザーの決済(商取引への決心)に必要な情報をきちんと提供することが出来ます。ここの段階での手抜かりは、折角ここまできたユーザーをみすみす離脱へと促すこととなるのです。さらには、ユーザーの身になって想定される疑問点などはFAQなどでコンテンツ化してリンクしておくことも大切です。
アクション後においても、実際にユーザーのお手元まで商品/サービスが届くまでに、どのような経緯があり、サイトだけで手続きが完了するのか、別途リアルなアクションを含めて最終的に商取引が完了するのか、またそれにかかる時間はどのくらいなのか、方法が分からない場合はどのページに解決方法が載っているのか、またキャンセルしたくなったらどうすればう良いのか??といったことがサイトで示されるべきです。
また、販売後の商品のアフターケア/メンテナンス情報も忘れないようにしたいものです。例えば既に販売を終了した商品などの解説ページや取説、ドライバーソフトなどの資料は相応期間継続するべきでしょう。
つらつらと書きましたが、とても大切なポイントになります。
(4)ターゲット全体向け--「疑問対応」
上記のようにコンバージョン(顧客転換化)しそうなユーザーに対して疑問対応といえば、Q&Aコンテンツが代表的ということになりますね。
ただしここでも注意が必要です。ここではQ&AやFAQにただ思いついた情報を掲載すれば良いというものではありません。 ここではどの段階(潜在~顧客層)にいるユーザーがどのような疑問を呈するだろうかというターゲット別のユーザーシナリオに準じてグルーピングし、それぞれのユーザーが探しやすいようにindex(コンテンツのtop)ページにて分かり易く見出し化してあげることです。
例えば、購入前にユーザーが不安に感じる点と、購入時点での疑問などによって分類して、ユーザーの必要とする情報を見つけ易く配置することが、サイトの上手なナビゲーション設計といえます。
さらには、Q&AやFAQを該当するコンテンツページとサイト内リンクして、ユーザーがコンテンツと接触したその場でFAQも提供することでより、その場で発生した疑問要素もクリアーにすることで早期に次へのアクションへと誘うことができます。
このように、今回は顧客満足を実現するためのWebサイトの「構築ポイント」と「コンテンツ企画」について考えてみました。
次回は顧客満足のためのWeb戦略にいおいて、サイトをどのように設計するかといった「サイト構造設計」と「業務成果の効果測定」についてお話したいと思います。
それでは、今回もお付き合いいただきありがとうございました。
次回予告:
シリーズ:「売れない時代の中小企業Web戦略」
第8回
顧客満足を実現する中小企業のWeb戦略(その2)
次回もご期待いただけましたら幸いです。

