第71回中小企業のオンラインマーケティング モバイルマーケティング戦略の立て方4/5 CJ:カスタマージャーニーを刷新してみる必要性とは?

みなさん、こんにちは中曽根です。
暑中見舞い申し上げます。

台風接近で東京は猛暑から一変、涼しい日和となってます。皆様いかがお過ごしですか?

さて、モバイルマーケティング戦略の立て方のシリーズ4回目となります。少し長目になります。
今回はみなさんも大好きな食べ物で、よくご存知のあの老舗企業の事例を基に、”エントリーをお届け”(笑)しますね。

 

第71回
モバイルマーケティング戦略の立て方4/5
CJ:カスタマージャーニーを刷新してみる必要性とは?

 

その会社とは、Domino’s (ドミノピザ)です。

biz.dominos.com

言わずと知れた老舗宅配ピザチェーンで、60カ国で1万店以上を展開する超!!ワールドワイドな企業です。

何だ大企業の話ではないか!と敬遠されそうですが、それでも中小企業にとっては、モバイルマーケティングに大いに参考になる戦略が含まれているので、ここに紹介します。

 

57年前の創業間もない時代では、宅配はもちろんやっていなくピザレストランとして営業してました、当時、地元の常連客が”いつもの”っと注文すれば、さっと注文が通るという、とてもシンプルなオーダー方法でした。

ユーザー個々と店舗において、ニーズの把握と対処法がしっかりと成立していた、と言える状況ですね。

現在のbiz.dominos.comにおいても、その当時のような顧客との”阿吽の呼吸”でオーダー・CX/カスタマーエクスペリエンスを再現する方法を、過去5年のかなりの歳月を費やして世界規模で技術的に模索してきたようです。

ここ近年の技術進歩によって、誰もがスマートフォン等モバイル機器でトランザクション:ネットオーダーできる時代になりまた、ユーザーのショップ・企業サイドへ期待する内容も様変わりしてきたのです。

それに伴って、ユーザーは欲している物をショップ側が察知して、即座にユーザーに提供されることを望むまでになってきました。

企業にとって、こうした課題に取り組むことは、事業の運営方法を再考しなくてはならなく、大変なことでした。このように積極的に事業運営を見直す姿勢を崩さなかったDomino’sならではのことで、ここで3つの教訓を得たのです。

 

1:オーダー・フォームの改善からはじまる
ユーザー対策と企業価値の再浸透

5年前までのDomino’s.comでは、サイトランディング後からオーダー完了までに25以上のステップを要していました。これによりユーザーにストレスを与え、多くの顧客離れを招いてました。

そこで彼らは、CX中でのストレスフリーの必要性をようやく認識し、今までユーザーに入力させていた多くの部分(プロフィール情報など)を自動入力させ、その結果オーダー完了まで5ステップまで軽減させました。

これによって、CVR:コンバージョン率が上昇したのです。
また、今日では全オーダー中のオンライン比率は60%を超え、その内の約半数はモバイル経由となってます。

その様な環境下において、彼らはさらにユーザーストレスを低減させるための努力をし、最終的には”ゼロクリック・オーダー”を含む、モバイル・カスタマージャーニーを提供する方法を開発しました。

これは、顧客毎のオーダーDB:データベースと連携したapp:アプリで、顧客がアプリを開けば直近を含む最近のオーダー内容を呼び出し、誤ってクリックした場合の対応にも備えて、10秒後には自動的にオーダーできるというロジックで組み上げられてます。
(未体験ですが、ストップウオッチが出現して10秒のカウントダウン後に自動オーダーになるようです。)

まさに”ゼロクリック”=”ストレスフリー”の実現ですね。

DOMINO’S ZERO CLICK ORDERING

この様な企業努力は、Domino’sブランドを多くのユーザーに価値あるものとして認識を改めさせ、さらに重要なのはロイヤル・ユーザーのような≒常連客のニーズに即座に応えられる状況にした点があげられますね。

 

2:構築~テスト~学習の繰り返し

マーケティング担当者にとって、ゼロから究極のCXを構築を提案しなさいと命令されたら、震えあがるほどの恐怖を感じますよね(笑)。究極のCXなんて多大な時間と努力、予算が必要ですから。

Domino’sがこの課題にどのように臨んだかとというと、

まずは、この改革に大きなプロジェクトは必要ないと判断したこと。小さな試験的な課題を抽出して、それを実行~検証して、そこから”より優れた顧客体験を構築する方法を得ていくことを少しずつ繰り返す”。

同社は、社を上げるような1つのビッグプロジェクトを実行するよりも、2年間で50の小さな革新をとげるオペレーションを選択するそうです。

創業57年の老舗ピザ会社が旧習を改め、「テスト~学習」のオペーレーションへ移行するのは容易ではなかったようですが、現在では実験を反復するのがオペレーション・スタンダードへと成長したとのことです。

これは、正に中小企業でも取り入れたい企業姿勢ですね。

反復サイクルによる小さな技術革新に取り組むことによって、新しい技術が出てきた際に迅速に対応することができるのです。

webサイトのオーダーシステムやプロフィール入力の改善によって、同社のモバイル事業をどうす進めるべきかが明白になったのです。反復のプロセスによって、ゼロクリック・オーダー・アプリケーションを含む同社の数ある新しいオーダー・プラットフォームを生み出したのです。

3:共有目標を達成することの意義

現在は、オンオフライン含め、ユーザーがいつ・何処にいるかに関わらず、全チャネルに対応が迫られます。

これはITからコールセンター、ショールーム、営業、小売などあらゆるコンタクト・レベルにおいて、CXはシームレスな一貫性があることを確認し続ける必要があります。

要するに、全ての部署において顧客体験から如何にストレスを無くすかという、共通の目標に向けての努力を常に確認する必要があるということです。

旧習の部署利益を追求する”縦割り意識”を取り除き、オンライン、オフライン、研究、ITなど全ての部署が緻密に連携して部署間チームとして確立することのようです。
まさにここが中小企業こそが取り組むべきスキームであります。

トップから、マーケティング、研究、製造までがみな密接に協力し、目標の達成・未達成を含め共有化を図ります。この様な企業文化の構築には時間がかかりますが、考え方の変化や、業務に創造性を加味することに実を結するのです。

以前のDomino’sのオーダー方法はショップに電話するか来店するかの2つでしたが、創業時に比べて現在は15のオーダー方法があるようです!!

現在では、ソーシャルメディア経由でtwitterでのtweet注文や、ソーシャルメディア上のピザの絵文字をGoogle ホーム(Google 社製スマートスピーカー)、Amazon Echo (Amazon社製SSP)の音声認識コマンドへと送信すると、個々のCXをパーソナライズして、最適な方法でオーダーすることが可能だそうです(驚)!!

彼らが取り組んでいる大きな課題は、全ての中小企業でも形は変われど取り組むべきです。
オン・オフラインでシームレスなCXをユーザーが奮って使いたがる新技術で登用するべきであって、単純にディープラーニングの音声認識や、AIなどの技術にばかり偏重したアプローチでは、顧客ニーズを必要以上に煽ることになって現実的に無理が発生することになりかねます。

 

中小企業で実践したいモバイルマーケティングにおいても、答えはシンプルです。

 

ユーザーが選択したプラットフォームにおいて、シームレスで一貫性のあるCX:顧客体験を提供する顧客中心のアプローチがいつも基本に戻るという点でとても大切なんですね。

今回も長い駄文にお付き合いいただきありがとうございました。

 

次回予告:
第72回
中小企業のオンラインマーケティング
モバイルマーケティング戦略の立て方5-5(最終)
CLV:顧客生涯価値に留意する

 

次回をお楽しみに。


参考:Google LLC. The consumer behaviors shaping the next generation of mobile experiences